病名 | 即日検査 | 精密検査 | 治療 | 検査部位と検査方法 | 治療法 |
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クラミジア | ● | ● | ● | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい) | 内服 |
淋病 | ● | ● | ● | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい) | 注射 |
梅毒 | ● | ● | ● | 血液 | 内服または注射 |
HIV | ● | ● | ● | 血液 | 専門病院に紹介 |
尖圭コンジローマ | ● | ● | ● | 臨床症状による視診・ウイルス検査 | 塗り薬・液体窒素 |
性器ヘルペス | ● | ● | ● | 臨床症状による視診・ウイルス検査 | 内服 |
亀頭包皮炎 | ● | ● | 臨床症状による視診・顕鏡 | 塗り薬 | |
A型肝炎 | ● | 血液 | 専門病院に紹介 | ||
B型肝炎 | ● | ● | 血液 | 専門病院に紹介 | |
C型肝炎 | ● | 血液 | 専門病院に紹介 |
性病とは、セックスやオーラルセックスなどの性行為によって感染し、さまざまな症状が現れる感染症のことです。症状は性器だけでなく、喉や肛門、時には全身に及ぶことも少なくありません。特にHIVや梅毒は、感染に気付かず放置すると全身に多様な症状が現れる場合があります。「もしかしたら性病かもしれない…」と思っても、「病院に行くのが恥ずかしい」「しばらく様子を見てみよう」と考える方が多くいらっしゃいますが、性病は誰にでも感染する可能性のある病気であり、恥ずかしいものではありません。また、性病は自然に治ることはありません。「リスクのある性行為をしてしまった」「心当たりがある」「何か異変を感じる」と思ったら、できるだけ早く病院を受診しましょう。性病で重要なのは早期発見・早期治療です。早めに対応することで治療期間が短くなるだけでなく、感染に気づかず大切なパートナーに感染させてしまうリスクも回避できる可能性があります。
セックスだけでなく、キスなどの濃厚な接触によっても感染する可能性があります。性が多様化した現代では、セックスといっても膣性交だけに限らず、フェラチオやクンニリングス、リミングといったオーラルセックスやアナルセックスなどで、病原微生物を含む体液(精液・膣分泌液・血液・便)に直接触れることで感染が広がることがあります。性病はセックスをすれば誰にでも感染リスクがある感染症であり、たった1回だけの性行為でも感染する可能性があります。また、複数の性病(例:クラミジアと淋病)に同時に感染することもあります。1つの性病にかかり治療をせずに放置していると、他の性病に感染するリスクも高まります。少しでも気になることがあれば、できるだけ早めに病院を受診しましょう。
性行為後72時間(3日間)以内に、お薬2錠を1回服用するだけで、梅毒とクラミジアは約90%、淋病は約60%予防することが可能です。リスクのある行為をしてしまった後でも、あわてずに備えることができます。
Doxy-PEPについてはこちら内服薬を性行為の前日・当日・翌日の3回(オンデマンドPrEP)または毎日(デイリーPrEP)服用することで、HIV感染を99%以上予防することが可能とされています。世界保健機関(WHO)も包括的なHIV予防策の一環としてPrEPを推奨しており、アメリカ、カナダ、フランスなどの欧米諸国や、台湾、韓国、タイなどのアジア諸国でも既に承認されている予防法です。
PrEPについてはこちら尖圭コンジローマ(HPV)、A型肝炎、およびB型肝炎は、ワクチンによって予防が可能です。
性病予防ワクチンについてはこちら病名 | クラミジア感染症 |
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特徴 | クラミジア感染症は、性病の中で淋病と並んで最も多い感染症です。1回の性行為における感染率は、30~50%と非常に高く、性経験のある一般の高校生で女性13.1%、男性6.7%、男女で約1割が感染しているという報告もあります。感染経路は、膣性交・肛門性交・オーラルセックスです。また、キスによっても感染する可能性があります。症状がほとんどないことも多く、多くの方が感染に気付いていないことも多いのが特徴です。淋病と同時感染していることも多く、合併頻度は20~30%程度です。 |
症状 |
性器
のど
肛門
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潜伏期間 | 1〜3週間 |
検査可能時期 | 感染機会から24時間以降から |
検査方法 | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい) |
即日治療 | 可能 |
治療法 | 内服薬 1回のみ |
治療までの期間 | 2〜3週間 |
治療判定 | 2~3週間後に治癒判定することが望ましい |
予防法 | Doxy-PEPで約90%予防可能 |
病名 | 淋病 |
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特徴 | 淋病は、クラミジア感染症と並んで最も多い性病の一つです。感染力は高く、1回の性行為における感染率は20~50%と非常に高いのが特徴です。クラミジア感染症より強い症状が現れ、放置すると精巣上体炎を起し不妊(無精子症)の原因となることがあります。 |
症状 |
性器
のど
肛門
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潜伏期間 | 2〜7日 |
検査可能時期 | 感染機会から24時間以降から |
検査方法 | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい) |
即日治療 | 可能 |
治療法 | 注射 1回のみ |
治療までの期間 | 2〜3週間 |
治療判定 | 基本的に不要 |
予防法 | Doxy-PEPで約60%・ワクチンで約50%予防可能 |
病名 | 梅毒 |
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特徴 | 梅毒は、粘膜や皮膚の小さな傷から感染し、血液やリンパ液にのって全身に広がり、脳神経や心血管系など全ての臓器に急性・慢性の症状を来たします。放置すると死に至る感染症です。1回の性行為における感染率は30%と非常に高く、2023年に過去最多の感染者数を記録し、近年増加傾向が著しい感染症です。 |
症状 |
■感染初期(感染の機会から1カ月程度)
■早期梅毒第1期(感染の機会から約1カ月程度以降)
■早期梅毒第2期(感染の機会から1~3カ月程度)
■後期梅毒第3期(感染の機会から数か月~数年後)
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潜伏期間 | 1〜3ヶ月 |
検査可能時期 | 感染機会から6週間後以降から |
検査方法 | 血液 |
即日治療 | 可能 |
治療法 | 内服4週間~ または 注射1~3回 |
治療までの期間 | 2〜3週間 |
治療判定 | 治療開始から4週間以降、完治するまで必ず必要 |
予防法 | Doxy-PEPで約90%予防可能 |
病名 | HIV感染症 |
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特徴 | AIDSの原因となるウイルス感染症です。かつてAIDS(後天性免疫不全症候群)は、「不治の病」「死に至る病」と恐れられてきました。現在は、多くの効果的な治療薬が開発されHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染しても適切な治療を行っている限りAIDSを発症することなく本来の寿命までに命を落としてしまう病ではなくなりつつあります。しかし一度HIVに感染すると「一生に渡り治療薬を飲み続けなくてはならない」「定期的に通院しなければならない」など日常生活に様々な支障をきたしてしまいます。主な感染経路は、性的接触・注射の回し打ちなどです。梅毒や他の性病と重複感染しているケースも多く見られます。 |
症状 |
■感染初期(感染から2~4週間)
■無症候性感染期(感染から数年~数十年後)
■AIDS発病期(感染から数年~数十年後)
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潜伏期間 | 数年〜数十年 |
検査可能時期 | 感染機会から4週間後以降から |
検査方法 | 血液 |
即日治療 | 専門病院に紹介 |
治療法 | 専門病院に紹介 |
治療までの期間 | 治癒することはありません。 |
治療判定 | 早期発見・早期治療開始でAIDSに至ることなく、通常の生活が可能です。 |
予防法 | PrEPで約99%予防可能 |
病名 | 尖圭コンジローマ |
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特徴 | 尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる性感染症で、性器や肛門周囲にニワトリの鶏冠状やカリフラワー状の疣贅(イボ)が単独または複数できるのが特徴です。HPVにはいくつかの種類があり、高リスク群と低リスク群に分類され、高リスク群は陰茎癌・肛門管癌・咽頭癌などの原因になります。 |
症状 |
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潜伏期間 | 3ヶ月 |
検査可能時期 | 発症してから |
検査方法 | 視診・ウイルス検査 |
即日治療 | 可能 |
治療法 | 塗り薬 または 液体窒素療法 |
治療までの期間 | 塗り薬(16週間) 液体窒素療法(数週間) |
治療判定 | 再発を繰り返すことが多いので、定期的な受診で必要です。 |
予防法 | ワクチンで予防可能 |
病名 | 性器ヘルペス |
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特徴 | 性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされる感染症ですで、性器に強い痛みを伴う小水疱(小さな水ぶくれ)が多数できるのが特徴です。一旦治癒しても、ウイルスは体内に残っているので、体調不良やストレスなどで、免疫が低下したと時に再発を繰り返します。症状が出ていない時であっても、パートナーに感染させてしまう可能性があります。 |
症状 |
■初発
■再発
|
潜伏期間 | 2~10日 |
検査可能時期 | 発症してから |
検査方法 | 視診・ウイルス検査 |
即日治療 | 可能 |
治療法 | 内服薬 |
治療までの期間 | 5~7日程度 |
治療判定 | 再発が多いので、お薬の内服継続をおすすめします。 |
病名 | 亀頭包皮炎 |
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特徴 | 亀頭包皮炎とは、陰茎の先端部である亀頭とそれを覆う包皮に細菌や真菌(カビ)が繁殖し、炎症が起きる病気です。乳幼児に多い病気ですが、包茎の成人男性に生じることも多い病気です。感染以外では、ラテックス製コンドームや避妊用ジェルなどによるアレルギー反応によって炎症が起こることがあります。 |
症状 |
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潜伏期間 | – |
検査可能時期 | 発症してから |
検査方法 | 視診・顕鏡 |
即日治療 | 可能 |
治療法 | 塗り薬 または 内服 |
治療までの期間 | 1週間 |
治療判定 | 不要(陰茎を清潔に保つよう心がけて下さい) |
病名 | A型肝炎 |
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特徴 | A型肝炎は、A型肝炎ウイルス(HAV)に感染することにより発症する肝炎です。HAVは糞便中に排出され、糞口感染する感染症です。感染経路は、女性器周囲を舐めたり(クンニリングス)や肛門周囲を舐めたり(リミング)、女性器周辺や肛門周辺を触った手で口にふれることで感染します。また、不衛生な国への渡航などにより感染することもあります。 |
症状 |
|
潜伏期間 | 2~7週間 |
検査可能時期 | 感染機会から約1カ月後以降 |
検査方法 | 血液 |
即日治療 | 専門病院に紹介 |
治療法 | 入院 |
治療までの期間 | 約1カ月 |
治療判定 | 治癒後は強い抗体ができる |
予防法 | ワクチンで予防可能 |
病名 | B型肝炎 |
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特徴 | B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することにより発症する肝炎です。感染経路は、血液や体液に触れることで感染します。性的接触により感染する可能性があり、日本での成人における急性B型肝炎の多くは、性的接触によるものと考えられています。 |
症状 |
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潜伏期間 | 1~3週間 |
検査可能時期 | 感染機会から3カ月後以降 |
検査方法 | 血液 |
即日治療 | 専門病院に紹介 |
治療法 | 入院 |
治療までの期間 | 約1カ月 |
治療判定 | 血液検査 |
予防法 | ワクチンで予防可能 |
病名 | C型肝炎 |
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特徴 | C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することにより発症する肝炎です。感染経路は、血液や注射器の使い回し、刺青などで感染します。2~12週間の潜伏期間を経て急性肝炎を起こすことがありますが、他のA型・B型肝炎と違い急性肝炎を起こすことは稀な不顕性感染(慢性化)が多く、ほとんど自覚症状はありません。 |
症状 |
■感染初期
■約20年後
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潜伏期間 | 2~12週 |
検査可能時期 | 感染の機会から3カ月後以降 |
検査方法 | 血液 |
即日治療 | 専門病院に紹介 |
治療法 | 点滴など |
治療までの期間 | 症状により異なる |
治療判定 | 症状により異なる |
病名 | 即日検査費用 | 精密検査費用 | 検査部位 |
---|---|---|---|
クラミジア | 5,000円/1部位 | 4,500円/1部位 | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい) |
淋病 | 5,000円/1部位 | 4,500円/1部位 | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい) |
梅毒 | 5,000円 | 6,000円 | 血液 |
HIV | 5,000円 | 6,000円 | 血液 |
尖圭コンジローマ | 5,000円 | 6,000円 | 視診・ウイルス検査 |
性器ヘルペス | 5,000円 | 6,000円 | 視診・ウイルス検査 |
亀頭包皮炎・カンジダ症 | 5,000円 | – | 視診・顕鏡 |
A型肝炎 | – | 6,000円 | 血液 |
B型肝炎 | 5,000円 | 6,000円 | 血液 |
C型肝炎 | – | 6,000円 | 血液 |
病名・セット | 即日検査費用 | 精密検査費用 | 検査部位 |
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クラミジア1部位 | 5,000円/1部位 | 4,500円 | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)より1部位 |
クラミジア2部位 | 9,000円/2部位 | 8,500円 | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)より2部位 |
クラミジア3部位 | 13,000円/3部位 | 12,500円 | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)の3部位 |
淋病1部位 | 5,000円/1部位 | 4,500円 | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)より1部位 |
淋病2部位 | 9,000円/2部位 | 8,500円 | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)より2部位 |
淋病3部位 | 13,000円/3部位 | 12,500円 | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)の3部位 |
クラミジア・淋病1部位 | 9,000円/1部位 | 9,000円 | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)より1部位 |
クラミジア・淋病2部位 | 13,000円/2部位 | 17,500円 | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)より2部位 |
クラミジア・淋病3部位 | 15,000円/3部位 | 25,000円 | 性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)の3部位 |
梅毒・B型肝炎 | 9,000円 | 11,000円 | 血液 |
梅毒・HIV | 9,000円 | 11,000円 | 血液 |
HIV・B型肝炎 | 9,000円 | 11,000円 | 血液 |
梅毒・B型肝炎・HIV | 10,000円 | 15,000円 | 血液 |
検査名 | 検査費用 | 検査部位 |
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BSH ベーシックスクリーニング(HIVあり) (HIV・B型肝炎・梅毒・ クラミジア&淋病1部位) |
23,000円 | 血液・性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)より1部位 |
BSN ベーシックスクリーニング(HIVなし) (B型肝炎・梅毒・ クラミジア&淋病1部位) |
22,000円 | 血液・性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)より1部位 |
ASH アドバンススクリーニング(HIVあり) (HIV・B型肝炎・梅毒・ クラミジア&淋病2部位) |
24,000円 | 血液・性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)より2部位 |
ASN アドバンススクリーニング(HIVなし) (B型肝炎・梅毒・ クラミジア&淋病2部位) |
23,000円 | 血液・性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)より2部位 |
CSH コンプリートスクリーニング(HIVあり) (HIV・B型肝炎・梅毒・ クラミジア&淋病3部位) |
25,000円 | 血液・性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)の3部位 |
SCN コンプリートスクリーニング(HIVなし) (B型肝炎・梅毒・ クラミジア&淋病3部位) |
24,000円 | 血液・性器(尿)・のど(うがい)・肛門(ぬぐい)の3部位 |
病名 | 治療代金 | 治療法 | 治療回数 | 治療の目安 |
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クラミジア | 7,000円 | 内服 | 内服1回のみ | 2〜3週間 |
淋病 | 7,000円 | 注射 | 注射1回のみ | 2〜3週間 |
梅毒 | 9,000円/2週間分 | 内服 | 毎日内服 | 4週間~ |
20,000円/1回 | 注射 | 初期梅毒:1回 後期梅毒:3回 |
4週間~ | |
尖圭コンジローマ | 7,000円/1回 | 液体窒素療法 | 1~2週間に1回 | 数週間 |
10,000円/2週間分 | 塗り薬 | 週3回塗布 | 16週間 | |
性器ヘルペス | 初発・再発 7,000円/5日分 | 内服 | 内服5~10日間 | 5~10日間 |
再発予防 12,000円/30日分 | 内服 | 毎日内服 | ||
亀頭包皮炎・カンジダ症 | 5,000円/1週間分 | 塗り薬または内服 | 毎日塗布 | 1週間 |
HIV | 専門病院に紹介 | |||
A型肝炎 | ||||
B型肝炎 | ||||
C型肝炎 |